招き猫

2021/1/10

ここ数日、招き猫のことを考えている。イラストレーターの友達が「招き猫」がテーマの展示に参加する、というお知らせをくれたのがきっかけだ。縁起の良さそうな展示だなぁと思いつつ、ふと自分がこの展示に参加していたら何を描くだろうか…と考え出したものの、招き猫は持っていないし、何か思い出もなければ、店で見かけたといった記憶もない。結果、招き猫に興味なく過ごしてきた自分を発見してしまった。

そもそも猫という生き物は少し怖い。犬やハムスターなど、ペットとして飼われる生き物と同じ様に猫を好きになれない。なぜなら猫の半分は妖怪が混ざっている気がするからだ。子猫の時はよい。子猫の成分は動物100%。しかし成長して行くと猫の中に備わっている妖怪成分が活性化されていき、次第にその妖怪能力を発揮し出すのである。

路地の端に猫が半身を起こしながら細目で寝そべっている。(アザラシが寝そべっているのを思い出してもらうとわかりやすい)なんかもう、怖い。お前、ここを通るつもりニャのか。見ていない様でバッチリ見てるんだからニャ。という無言の圧力を感じながら「失礼いたします、前を通らせていただきます」と心の中で言いながら猫の前を通過する。ふー、緊張したなと思い、ふと振り返ると猫がもう一匹増えており、二匹でこっちを見ている。もしかしたらもう一匹は別地点から観察していたのでは…ぞぞ〜。といった感じになる。なので猫本体はもちろん、ちまたに溢れている猫グッズにもあまり心を惹かれない。そのため、招き猫にも反応していなかったのかも知れない。

ちなみに信楽焼のたぬきがいると、機敏に反応する。無視できない存在感を信楽狸の彼は漂わせている。そして顔を見てしまったら最後、目が離せなくなってしまう。間抜けな顔で酒を持ち、首をかしげ、口は半開きでやや斜め上を見ている。そのフォルムは愛嬌満載でコミカルなのに、目を見ると漆黒で闇の住人を目をしていたりする。また、狸が縁起物なのは「たぬき→他ぬき→他を抜く」という意味からきているらしいのだが、だとするとあのゆるい見た目とは裏腹に内心では、うおぉぉオイラが勝つんだー!とメラメラしていることになる。あの外見は相手を油断させるためなのかも知れない。狸、結構侮れない。

そう考えて見てみると、招き猫はシュッとしていて表情も無表情が基本だ。さすが猫、無駄に愛想を振りまいていない。愛想を振りまかずして色んなものを前足一本で招き入れるなんて、やはり妖力が込められているのだろうか。もしくは招き猫の購入者は、招き猫のなかにいるお猫様に監視されているので、しっかりやらねばという精神状態になるのかも知れない。確実に私は後者だろう。それならば部屋に招き猫を置いておいた方が絶対にいいのではないか。そう思ったらなんだか急に欲しくなってきた。できるだけ崇高がいい。2021年は招き猫を置いて、だらけた生活をしないように監視していただこうではないか。

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